ScienceTeacherのブログ

中学校の理科の教員です。理科って思ってたより簡単だな、理科って面白いな、と思ってもらえるように作っていきたいと思います。

自転の向きは、これでOK!

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地球の自転の向きは?という問いに対しては、いろいろな答え方があります。

  • 北極の方から見て、反時計回り。
  • 西から東の方向へ。

でも、「時計?反時計?どっちだっけ?」と忘れてしまったり、「東ってどっち?」なんていう生徒も多いんです。そんな生徒でも絶対に忘れない覚え方を紹介します。

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何に見えますか?と聞くと「馬に乗ってる!」「えっ、竜じゃねえの」

「何か動物に乗ってるよね。どっちに進んでるように見える?」「北海道のほう!」

だから、地球儀の上にこの図を貼り付けて…

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というわけで、日本は北海道の方向に進むんだね。

これが地球の自転の向きです。

 

自転の向きが分かったら、ついでに公転の向きも簡単に覚えられます。

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ボールに回転をかけて投げると、こんなふうに曲がるよね。サッカーでも、卓球でもそうだよね!だから、

公転は地球の自転の向きと同じ向きに回転します。

カーブ理論とでも呼びましょうか。

 

オシロスコープは、これで十分!

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これはiPhoneのアプリです。

今までは、音の勉強で波形を見せるためにはオシロスコープを使ってきましたが、数年前からこのアプリで十分だと思うようになりました。

このアプリ、無料です。開くとこんな画面が出てきます。

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英語ばかりなので、最初はよく分かりませんでしたが波形を見せるだけなら簡単でした。

1 右上の赤いスイッチはOFFにする。(写真はOFFです。ONだと右側のライトが点灯します。

2 緑の画面の中で、写真を拡大するようなジェスチャーをすると感度が上がります。

それだけです。

この状態で、近くで音を出してやると波形が見られます。

本物のオシロスコープのようにはいきませんが、振幅の差、振動数の差は十分に分かります。

私はiPhoneの画面を大型テレビにつないで、この画面を生徒全員に見えるようにして実験して見せます。お手軽ですよ!

 

星座の位置は、紙の上だけではきびしい!

 
   

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季節により、見える星座は違う。

例えば、しし座が真夜中に見えるのは、地球の位置が上に来たとき。

この程度ならば、プリント上で理解できる生徒が多いが、

「夏の夕方、東の空に見える星座」

となると、どうすればいいのかわからない生徒が出てきてしまう。

そこで、なれるまでは教室全部を使って、疑似宇宙空間で考えてもらうことにしている。

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教室の真ん中に、赤いバランスボールを置きます。これが太陽です。

四方の壁には、それぞれの季節の代表的な星座を貼り付けます。問題で聞かれている場所に地球儀をもっていき、

「地球の自転の向きはこうだったね。だとすると夕方はどっち?」

「そう、だからここに今立っているんだ。」と小さな人形を置く。

「この人にとって東はどっち?」

「だから答えはさそり座だね」

すぐには理解できない生徒も、もちろんいますが、周りの生徒たちがこの状況を使ってミニティーチャーしてくれるので、大部分の生徒が分かってくれます。

 

 

「きのした はじめ」って誰? 速さの計算

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速さの計算といえば「み・は・じ」が有名ですが、中学校理科では「み」の「道のり」は使いません。代わりに「距離」で計算します。

だから、「み・は・じ」ではなく「き・は・じ」となります。

もともとの「みはじ」にも特に意味はないのに、これからは「きはじ」ね!といってもつまらないので次のように教えます。

「き」の下に、「は」と「じ」があるよね。

これからは、速さの計算問題は「き(の下)はじ(め)」さんに教えてもらおう!

すると生徒は、たいてい笑いながら「だれよ、それ!」と反応します。

でも、この笑いのおかげで、良い雰囲気で速さの計算問題をはじめることができます。

 

 

半パンマン!? 明るいのはどっち?

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「上の図で、電球が明るいのはどっちですか?」と聞くと、半分以上の生徒が「直列のほう!」と自身をもって答えることが多いです。「なぜ?」と聞くと「小学校で直列が明るいって勉強したから」と答えます。

そこで実際にやってみせると並列の方が明るいことに不思議がります。

これは、小学校では”電池の”直列、並列を勉強しているため、「直列が明るい」と、ただ暗記しているようです。

そこで、この場合はなぜ並列の方が明るいかの”理論”をさずけ、単に暗記することがないようにしています。

電流は目に見えない世界なので、次のような例え話をすることで、見えるものに置き換えて理論をもたせます。

「電池はパン工場です。パン工場には、アンパンマンジャムおじさんが住んでいます。今日もアンパンマンは森のパトロールにでかけます。今日のパトロールコースは直列の森です。あっ、おなかをすかせて困っている人発見!むこうにもう一人いるぞ。じゃあ、ぼくの顔を半分ずつお食べ!といって二人に自分の顔をあげました。半パンマンです。

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「今日のパトロールコースは並列の森です。でも並列の森は一方通行なので一人で行くと、どちらかの道の困った人を助けられません。ジャムおじさんアンパンマン2号を作って下さい!というわけで、一度に2人のアンパンマンが出動します。どちらの道にも困った人は1人だったので、ぼくの顔を全部お食べ!といって、まるごと顔をあげて、2人の顔無しアンパンマンは工場に戻ってきました。」

 

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「さて、このお話を聞いて、直列の森の困った人と、並列の森の困った人では、どっちが元気になりましたか?」

「並列の森!」

「なぜですか?」

「たくさん食べたから!」

「そうですね。このお話を覚えておけば、どちらが明るいかはもう間違えませんね。」

しかし、中学生ですから何くだらない話をしてんだ!と素直には受け入れない子も中にはいます。そんな子のために、

「ちなみに、並列の方が電池は早くなくなります。だって1度にアンパンを2個ずつ作るんだから、早く材料がなくなるんだね。」

と付け加えると、そんな子でもこの理論に興味を引き戻せる気がしています。これが私の考案したアンパンマン理論です。







 

 

4:1? 3:2? どっちだっけ

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中学校2年生の化学変化の単元で、金属と酸素が化合する割合は一定であることを学習します。このとき、銅:酸素=4:1 マグネシウム:酸素=3:2であることを覚えやすくする方法です。

まずは、4:1と3:2なのですから、どっちも「足したら5になる2つの数だよ!」と教えますが、テストまでにはどっちがどっち?」となりがちです。

そこで、「原子の記号をよ〜く見てご覧。何か見えない?」「見えない…」

「そうか〜。じゃあ、首を左に傾けて角度を変えて見てご覧。」「え〜何?」

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あっ『3』だ!

その通り!

だから、マグネシウムの方が 3:2 になります!

 

 

 

昆虫の特徴は、む・し・さん

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昆虫の特徴は小学校で学習しているかも知れませんが、無セキツイ動物の分類の学習において完璧に理解していてほしいので、そこで教えている方法です。

「ハチが羽を広げているところを、書いて下さい。」と指示します。

この問いで、生徒たちは昆虫の特徴を思い出す作業を始めます。

大部分の子は、それなりの絵を描くのですが、特徴を正しく捉えていない子が必ず数人はいるものです。これは、そういう子たちに自信を持って特徴が言えるようにするためのツメの指導です。

「昆虫って、簡単にいうと虫だよね。だからその特徴も”む・し・さん”なのです。」

む・し・さん → 6・4・3

  • 虫さんの特徴 む(6)は? → 足が本!
  • 虫さんの特徴 し(4)は? → 羽が枚!
  • 虫さんの特徴 さん(3)は? → 体がつに分かれている!

この特徴を覚えているだけで、ハチらしきものが簡単に描けます!

 

 

f:id:ScienceTeacher:20200910205805p:plainほらね!