「上の図で、電球が明るいのはどっちですか?」と聞くと、半分以上の生徒が「直列のほう!」と自身をもって答えることが多いです。「なぜ?」と聞くと「小学校で直列が明るいって勉強したから」と答えます。
そこで実際にやってみせると並列の方が明るいことに不思議がります。
これは、小学校では”電池の”直列、並列を勉強しているため、「直列が明るい」と、ただ暗記しているようです。
そこで、この場合はなぜ並列の方が明るいかの”理論”をさずけ、単に暗記することがないようにしています。
電流は目に見えない世界なので、次のような例え話をすることで、見えるものに置き換えて理論をもたせます。
「電池はパン工場です。パン工場には、アンパンマンとジャムおじさんが住んでいます。今日もアンパンマンは森のパトロールにでかけます。今日のパトロールコースは直列の森です。あっ、おなかをすかせて困っている人発見!むこうにもう一人いるぞ。じゃあ、ぼくの顔を半分ずつお食べ!といって二人に自分の顔をあげました。半パンマンです。」
「今日のパトロールコースは並列の森です。でも並列の森は一方通行なので一人で行くと、どちらかの道の困った人を助けられません。ジャムおじさん!アンパンマン2号を作って下さい!というわけで、一度に2人のアンパンマンが出動します。どちらの道にも困った人は1人だったので、ぼくの顔を全部お食べ!といって、まるごと顔をあげて、2人の顔無しアンパンマンは工場に戻ってきました。」
「さて、このお話を聞いて、直列の森の困った人と、並列の森の困った人では、どっちが元気になりましたか?」
「並列の森!」
「なぜですか?」
「たくさん食べたから!」
「そうですね。このお話を覚えておけば、どちらが明るいかはもう間違えませんね。」
しかし、中学生ですから何くだらない話をしてんだ!と素直には受け入れない子も中にはいます。そんな子のために、
「ちなみに、並列の方が電池は早くなくなります。だって1度にアンパンを2個ずつ作るんだから、早く材料がなくなるんだね。」
と付け加えると、そんな子でもこの理論に興味を引き戻せる気がしています。これが私の考案したアンパンマン理論です。